ASEAN 設立 55 周年 〜タイ国立シラパコーン大学創設 80 年を越えて~
Art for All 2024 美術は全てのために 開催報告
ASEAN設立55周年と国立シラパコーン大学創設80年を越えての記念として、8年ぶりにタイ王国で、タイと日本の美術交流展「Art for All 2024〜美術は全てのために〜」が決定し、本年(2024年)2月4日(日)から8日(木)までシラパコーン大学内、アートセンター(パンナラーイビル)、建築学部ギャラリー および PSG ギャラリー1F、2Fで開催されました。
現地模様報告
2024年2月3日
以上に伴い、訪タイツアーも行われ、本年2月3日(土)午前に、およそ60名の日本人がタイに向けて出発しました。
この訪タイは、日本美術家の方々が心を込めて制作した多ジャンルの美術品による、友好的外交イベントとなるため、観光の色合い以上に、国と国の相互理解を目的として渡航されていると強く感じました。
およそ6時間の空路の先には微笑みの国タイが待ち受けており、いよいよタイ国際スワンナプーム空港に到着する渡航者の方々には多くの期待が溢れていたかと想像できました。
世界各国のタイに訪れる方々には、さぞ驚嘆されたとも推察しました。
入国審査を終え、荷物とともに税関を抜けるとタイ上陸です。
ガイドさんに連れられ、移動専用バスに乗り込むと、そこにはロイヤルガード・ポリスが待ち受け、タイでは渋滞が激しい夕刻にも関わらず、王室警察白バイ隊の先導により、夕食先を経てホテルに到着されました。非常にスムーズな移動で、予定よりも早くご到着されました。
ホテルロビーでは藝文協会新会長のパトラスダ・キティヤコーン殿下もお迎えに参じていただくなど、タイ王国の歓迎ムードは早くもこの時点で頂点に近いほどに達したようです。
2024年2月4日
午前よりシラパコーン大学に向けて出発。先ず、早めの昼食を摂り大学へ向かう一行。
なぜなら、オープニング・セレモニーに現国王の父、故ラーマ9世陛下の三女、チュラポーン王女殿下ご来臨があることから、安全対策として新型コロナに対する抗原検査を来場者全てが受けることを義務付けられていたからなのです。
これは、王女殿下のみならず、参加する全ての健康の安全を危惧した処置と伺っております。
ロイヤル・オフィスの方々やシラパコーン大学の学長始め教授陣の皆さまの優しき計らいと感じずにはれませんでした。
シラパコーン大学到着後の抗原検査会場
オープニングセレモニー開催概要
式次第
開会宣言
国立シラパコーン大学タナサート学長
副学長よりオープニングセレモニー主導権を王室に譲渡宣言
タナサート学長スピーチ
1.山川賀壽雄作品 主題:「朝(はじまり)」を国立シラパコーン大学副学長(主導権譲渡宣言副学長とは異なる)より画家代理として王女に献上。
山川賀壽雄作品を作家代理として副学長から献上
2.中村エミ作品(主題:「湖畔より夢想」)を藝文協会代表理事子息より作家代理として王女に献上。共に藝文協会献上品もお受取りいただく。
献上作品
3.王女より感謝状をシラパコーン大学副学長(1の副学長とは異なる)拝受
4.王女より感謝状を一般社団法人藝文協会 赤尾信敏 最高顧問拝受
5.王女より感謝状を一般社団法人藝文協会 代表理事 石川文隆拝受
6.王女との集合写真撮影(シラパコーン大学教授陣/藝文協会1回目、2回目、3回目)
7.チュラポーン王女PSGギャラリーにてタイ渡航作家の作品展観
看護師介助にて展観模様
※王女殿下のお写真のとおり、チャレンジド(障害があっても、神から挑戦権を与えられた人)であるため、全ての作品は展観できませんでしたが、シラパコーン大学ご卒業で美術を愛するチュラポーン殿下は、おそらく全ての作品をご覧になりたかったのではないかと推察します。
これまでに、タイ王国ラーマ9世プミポンアドゥンヤデート陛下、ソムサワリ王女(現ラーマ10世の王太子時代の前王太子妃)、タイの歴史映画監督のチャトリチャラーム・ユコン王子殿下の日本美術作品展観などを経て、この度のご来臨となっており、実にコロナ禍を越えて作品展観をチュラポーン王女が行っていただいたのです。
これは、何も特別な忖度もなく、ごく自然に日本とタイの美術家の作品がお導きいただいたのだと、共催者である国立シラパコーン大学と一般社団法人藝文協会は心得ております。
日タイのご出展者の皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。
「ありがとうございました。」
日本美術家によるギャラリー・トーク
およそ、30人のシラパコーン大学芸術学部学生が、日本美術考察を目的にギャラリー・トークに訪れました。
トーク内容は、限りあるため割愛いたしますが、写真をご覧ください。
ギャラリー・トーク中のアーティフィシャル・フラワー作家 中村エミ氏
オープニング・スピーチと乾杯のご発声は元在タイ日本大使で藝文協会の赤尾信敏最高顧問が行いました。
同日夕刻にはバンコク都内にてタイ王族や藝文協会ゆかりの人々が集う懇親のための食事会が開かれました。
場所は、「Blue Elephant:ブルー・エレファント」 タイ伝統料理レストランでの懇親食事会開催となりました。
タイ側の参加者は、タイ王族(M.L. :モム・レム)パトラスダ・キティヤコーン殿下とその母君ナワラット・キティヤコーン殿下です。
言わずと知れた(ご存知ではない方がいらしたら、お詫びします。)王族(M.R. :モム・ラチャウォン)ソムラップ・キティヤコーン殿下ご令嬢とご夫人です。
左・藝文協会石川 中央・藝文協会新会長パトラスダ殿下 右・パトラスダ殿下母君 ナワラット様
そして、藝文協会タイ本部常任理事であったアヌワット・ブーンニティー氏(皆様にお知らせしておりませんでしたが、昨年は4月に他界されました。)のご夫人ブーンタ・ブーンニティー様、ご子息長男タワン・ブーンニティー様、次男タンヤワット・ブーンニティー様が、藝文協会代表理事とは美術で世界と交流することに対し、盟友とも言える故アヌワット常任理事の代理として参加していただきました。
左から藝文協会石川 故アヌワット常任理事ご夫人ブーンタ様 ご長男タワン様 次男タンヤワット様
With the Her royal Highness Princess
2024年2月5日
バンコク滞在3日目となる、この日は日本美術家によるワーク・ショップと大きな模造紙に子どもと大人で作画するなどの「アート・セッション」が、シラパコーン大学にて行われました。
場所は、大学内PSGギャラリー2階で開催され、およそ30名のバンコク都内にある美術高専の生徒が集まりました。
彼らは、美術に特化した技術的講習や美術的感性育成指導を受けており、すなわち未来のアートシーンでの活動を嘱望された若者たちです。
そうした若者との交流は、日本の美術家にも大きな刺激が与えられたのではないでしょうか。
日本の美術界でも、後進の育成をもって若者たちの美術界台頭を望む声は少なくはなく、どの国においても未来を輝かせる原石として見ている人々がいることは間違いないと考えられます。
この日は、多くの若者との強力によって、素晴らしいイベントとなりました。
※以後写真参照
アートセッションの模様
絵画作品で「社会」
墨作品で「動物・干支」
2024年2月6日
最終日となるこの日は、参加者のみではありますがアユタヤ観光に出発しました。
アユタヤは、日本人には馴染みのある都市であり、400年以上前に朱印船にてタイ(当時シャム)に渡った傭兵山田長政を統領とした日本人町は、未だその存在が歴史に刻まれています。
このアユタヤは、神聖な仏教徒の土地であり、ミャンマー軍(当時ビルマ)の攻撃によって、仏像などが数多く破壊されました。
その傷跡は、今も残っており、タイの人々の巡礼の地となっています。
※以後写真参照
同日夜半にはタイ渡航美術家など一行は、スワンナプーム国際空港から、一路帰国の途につきました。
※タイでは終始、ロイヤルガードポリス先導がありました。
※チュラポーン王女殿下お写真2枚の掲載は、タイ国立シラパコーン大学を通じて許可されておりますので、転載は禁じられております。
大学恩師のパンヤ・ヴィジンタナサーン教授の展示された仏画作品を鑑賞するチュラポーン王女殿下。