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「タイ首相府日本美術交流展」 開催報告

2015.02.27

タイのこどもの日における日本美術による美術教育 
「タイ首相府日本美術交流展」開催報告

※タイ首相府日本美術交流展にご後援頂きました在タイ日本国大使館様のウェブサイトに本展の写真が掲載されました。 
詳しくは当ページの最後をご覧ください。

2015年1月10日(土)

タイ首相府特別展「タイ首相府日本美術交流展」が開幕した。 
 
当初の予定通り、本展はタイの「こどもの日」イベントと併設されており、開会日の天候は晴天に恵まれ、真っ青な空の下、首相府内の広大な敷地は数万人以上とも思われる子どもや大人(政府関係者、保護者など)で埋め尽くされていた。

タイの「こどもの日」は例年、年明け1月の第2土曜日に行われており、タイ王国総理大臣の椅子に子供たちが座れるという特別体験や、首相府内の庭の各所には食べ物屋台が設置され子供や大人たちに全て無償で振る舞われ大いに賑わっていた。 
 
タイ王国の年内行事の一つとされる「こどもの日」イベントは、首相府のみならず国内随所で大々的に行われており、国内行事としては非常に大きな規模の催しとなっている。 
 
このようにタイ王国では「こどもの日」を未来を担う子どもたちをもてなす日としており、これは、タイ政府の子供教育への熱意の現れとして受け取れるのではないだろうか。そして、子供たちが一層社会に役立つ人間に成長してゆくことを願う指針が形になったものと強く感じられた。 
 
さて、このような国内行事にもかかわらず、この度の「タイ首相府日本美術交流展」の開催は異例で本邦初とのことである。「こどもの日」は、国内行事であり、外交とは無縁であることから、これまで諸外国との交流や国外来賓は一切無かったとのこと。(本展後援在タイ日本国大使館文化広報部長小林茂紀参事官より) 
 
では何故、この度の開催が可能となったか。それは、本展サブタイトルとして示すテーマ「タイの『こどもの日』における日本美術による美術教育」に他ならない。教育というキーワード、美術教育に勤しむ日本美術家の存在が、タイ首相府の門戸の扉を開けたことは間違いない。 
 
これまで、世界芸術文化交流会はタイのみならず欧米や他のアジア地域でも美術教育という観点で国際交流を成しており、その交流を成功に導いた日本美術家の熱心な活動が今回の結果に導いたと言っても大袈裟ではないだろう。 
 
また、「こどもの日」に国をあげて祝うという制度は世界でも珍しく、政府を介したイベントともなると更に稀ではないだろうか。こういった国の姿勢からも、本展の開催がタイ政府の歓迎を受けた一因かも知れない。 
 
同日午前には、日本の美術家が9名と随行者が既に首相府内の本展会場に入り、「こどもの日」全体の開会セレモニーに参加した。開会式では、タイ首相府パナダー・ディサクン大臣による「こどもの日」開会スピーチが行われ、その開会の言葉のなかでは、日本美術家を歓迎する言葉を述べるとともに、他の省庁の政府職員は勿論、他の閣僚にも鑑賞に来るように伝えるとも付け加えた。 
 
スピーチ終了後には、壇上に世界芸術文化交流会赤尾信敏最高顧問が招かれ、タイ首相府収蔵作品目録を赤尾最高顧問からパナダー大臣に手渡された。

その後に小林参事官、日本の美術家などが次々に壇上に招かれると全員で記念撮影を行って開会式が終了した。

首相府正面にてプラユット・ジャンオーチャー首相とWAC赤尾信敏最高顧問、 在タイ日本国大使館小林茂紀参事官で記念撮影

プラユット首相と握手する赤尾信敏最高顧問

東日本大震災の募金箱も設置しました。

首相府大臣作品展観

パナダー大臣は丁寧に作品を鑑賞し、タイに訪問した日本美術家の方々には細かく作品について質問をされ、その熱心な質問に日本の美術家の方々も懇切丁寧に説明をした。 
 
作品鑑賞については、流して鑑賞することはなく、一度見た作品を再度戻って鑑賞するという一場面もあり、美術に関心がある大臣の人となりも見受けられた。 
 
順路に従い作品を鑑賞し終えると、日本の美術家、随行者、関係者とともに記念撮影をして鑑賞頂く時間が終えられた。

パナダー首相府大臣と記念撮影

同日午後 
アートセッション

集まった子供は総勢67名、9名の美術家との交流アートセッションは凡そ1時間半に及んだ。
美術というものは一旦のめり込むと創作意欲の泉を涸らすことは無く、終了の合図がかかると改めて筆に絵具を付けて描くといった具合である。
同日午後、続々と本展会場にはタイの子供たちが保護者とともに入場してきた。
子供たちは日本の美術家とタイの子供が大きな紙面に作品を合同制作するという「アートセッション」のために会場に訪れたのである。 
 
終わりを知ると余計に描きたくなるようで、美術はまさに意欲を湧き立たす魔術を秘めているように思えた。 
 
このアートセッションの妙は、世代を越えて美術という表現の世界を通じた交流にあり、美術という言葉を必要としない会話が互いの距離を縮め、親睦を深めることにある。 
 
特にタイ語という言葉の国の子供たちであれば尚更ではあるが、世代を越えた交流の結果は写真を見れば一目瞭然。 
 
微笑みの国タイにおける人的交流はこのアートセッションによって終了した。

会期

2015年1月10日(土)~16日(金) 

会場

タイ首相府 

主催

世界芸術文化会(タイ首相府・WAC協力任意団体) 

企画

一般社団法人世界芸術文化交流会(WAC) 

後援

在タイ日本国大使館 

広報

bun-ten

≪お知らせ≫
在タイ日本国大使館様のご配慮により同大使館ウェブページに「タイ首相府日本美術交流展」の写真が掲載されました。
関係各位には心より感謝申し上げます。