東方友好交流展 開催報告
日本マレーシア国交樹立50周年記念・マレーシア独立50周年事業認定記念
2007.7.30
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2007年7月27日
東方友好交流展文化交流使節団として日本美術家など、およそ30名の日本人が一路マレーシアへ出発した。
この一団は、本展開催に伴い行われる開会式及び“子供ふれあいプログラム”参加の使節であり、日本マレーシア国交50年とマレーシア独立50年の親善芸術大使として招かれている。
この度の美術交流展は展示会のみならず、 人的な国際交流と社会教育活動を踏まえた平和を提唱するものである。
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ダンスショー
2007年7月28日
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クアラルンプール市街
午後6時ほどに日本美術家一団はマレーシア国立美術館(バライ・セニ・ルキス・ネガラ)へ到着。
本日は東方友好交流展開会式が開かれる予定である。
国立美術館1階セレモニー会場において行われる開会式会場の準備は既に整い、マレーシア文化省文化副大臣を筆頭に来賓の方々をお迎えする壇上の席も整然と据えられ会場には次第に開会の緊張感が張り詰めた空気となって全体に充満しつつあった。
午後7時、来賓の方々の到着まで開会式の予行演習が開始された。
初めに来賓及び主催運営者による祝辞やご挨拶の段取り説明が行われる。
その後の“日本 マレーシア親善芸術大使”認定書授与式、テープカットの順に式典の重要事項説明とともに演習が続けられた。
午後8時、マレーシア文化省副大臣ダト・ウォームン・カム・ホン閣下がご到着された。 その他、国立美術館館長なども続々と到着され、いよいよ開会式が開始される。
そして、およそ150名の参加者が一堂に会することになる。
マレーシア政府文化省関係者、マレーシア作家協会会長を始めとする現地美術家、日本美術家一団などが綺麗に着席するなか、 この度の「東方友好交流展」主催となる世界芸術文化交流会(WAC)マレーシアの代表理事サハリマン・ハムダン氏によって開会が宣言された。
続いて本展運営となる株式会社フィネス代表による挨拶がなされた。
そして来賓代表としてマレーシア文化省副大臣ダト・ウォームン・カム・ホン閣下 によるご 祝辞を賜り、その後テープカットによって本展の幕が開け2階大展示会場へ作品鑑賞の為に副大臣を先頭に向かう。
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スピーチされる文化副大臣
階上へは開会式会場を取り巻くような螺旋スロープをゆっくりと上り、その途中にはマレーシアと日本の子供作品が展示されている。
ダト・ウォームン・カム・ホン閣下は確りと作品を鑑賞されると、書道の作品に殊のほか感想を述べられていた。
基本的にマレーシアは多宗教で構成される国家であるが、やはり中核をなすのはイスラム教であるために文字文化への造詣が深いようだ。
鑑賞しながら2階へ到着すると、真っ白な壁と自然石を張り詰めた床の大展示場が目の前に広がって見える。
大きな会場には等間隔に展示された日本とマレーシアの作品が眼前に現れている。
特にマレーシアに訪問した文化交流使節となる日本美術家は自作の前に立ち作品の説明をされ、日本の現代芸術の紹介と作品説明を行っていた。
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セレモニー会場で
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国立美術館内 展示風景
2007年7月29日
午前8時30分、観光省協力における“子供ふれあいプログラム”の会場となるMTCマレーシア・ツーリズム・センター(マレーシア観光省管轄)に一団は到着する。
木造とモルタルで作られた伝統的なマレーの宗教建築の建物は、何処と無く温かみを感じるものであった。
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MTC 中央円形ホール
午前8時45分、建物中央に配置する半円形ホールにおいて、“子供ふれあいプログラム”の説明会が15分ほど行われ、この度参加する現地美術家の方々とマレーの子供たち、日本美術家と本日の為に訪れた日本の子供4名の紹介も行われた。
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子供たちの紹介
午前9時、“子供ふれあいプログラム”の開始となる。
半円形ホールの駆け上がり上部にあるタイル張り渡り廊下には約1メートル50センチの画用紙が5枚設置されており、5つのグループに分けられ、大人も子供も入り混じった作品合同制作という風景が観られた。
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作品作成風景
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作品作成風景
これまでにタイ、スウェーデン、ロシアと国を変えて行ってきたが、其々のお国柄があるように思われる。
整然と描かれた画面にはマレーシア人の勤勉な性格が反映されているようだ。
恐らく、日本が最も勤勉な人種と大半の方々が思われているに違いないが、ムスリム文化に生きるマレーシア人の日々の生活の現れのようにも見て取れる。
何れにしても、本会の目的とする交流は、描くことによって会話し理解を深めることにあり、大半は目的を達成したと言ってよいのではないだろうか。
しかしながら、お国柄によって違う個性が発見されたのであれば、次回は、その国民性を踏まえた趣向を取り入れると言うことも必要であると主催運営側の課題も出来、実に発展的な催しが展開されたと言っても過言ではない。
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ハシマ氏、サハリマン氏、 フィネス代表
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『平和の使い』の子供たち
およそ、一時間半の作品合作は終了し、記念撮影などを締め括りに閉会式会場へ移動となる。
MTC大シアターは約300名収容可能な大スペースとなっている。
舞台にはマレーシア観光省推進事業事務局長ハシマ・ジャファー氏が観光大臣代理としてお越しになり、5席用意された椅子の中央に着席された。
それに順じてWAC世界芸術文化交流会マレーシア代表理事サハリマン・ハムダン氏、同じく日本事務局長となる株式会社フィネス代表 、マレーシア文化省作家協会会長アミヌディン・アリフィン氏、日本マレーシア・ホームステイ・プログラム協会副会長アブドゥル・ラザ氏とが並んで着席となる。
初めにWACマレーシア代表理事サハリマン・ハムダン氏から本会の感想と日本美術家への歓迎の意を表した。続いてWAC東京事務局長兼任株式会社フィネス代表からのご挨拶、最後にマレーシア観光省推進事業事務局長ハシマ・ジャファー氏が観光大臣代理の祝辞を述べられた。
その後、日本とマレーシアの子供たちには、マレーシア観光省認定“平和の使い”認定証が贈られるなど、終始和やかなムードが会場に漂っている。
その他、日本人書家による席上揮毫など、盛り沢山のプログラムに会場の暖かいムードは絶えることが無かった。
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書道を体験されるハシマ氏
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揮毫される赤塚暁月氏
正午、昼食を挟み、この度のマレーシア訪問最後のプログラムとなるKLフェスティバルが同会場において開催された。
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日本人作家とマレーシアの子供・現地作家の合同制作作品
2007年7月30日
午前9時、日本美術家一団は東方友好交流展展示会場へ到着。自作の鑑賞を思い出に同日午後に本展の幕が閉じられる。
午前11時、この度の最大の協力機関となったマレーシア政府観光省庁舎へ表敬訪問。
前日にお越し頂いたマレーシア観光省推進事業事務局長ハシマ・ジャファー氏の歓待を受け、この度の東方友好交流展文化交流使節団の交流目的は完結された。
同日夜、マレーシア人の暖かい心遣いを胸に残し、一路、帰国の途につく。
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観光省ロビーにて
現地作家の皆さん
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マレーシア現地作家の作品詳細は、2008年2月発行予定の『日本秀英美術録』にて掲載いたします。
会場
マレーシア国立美術館 Barai seni rukisu negara (バライ・セニ・ルキス・ネガラ)
会期
2007年7月28日(土)~30(月)
主催
WAC(World Art&Culture Exchange) 世界芸術文化交流会
協賛
株式会社フィネス(Finesse.)