技が織りなす芸納祭「萌志(きざし)」開催報告
去る平成29年3月10日に日光東照宮の代表格とも言える陽明門の竣功式が開催された。
奇しくも3月10日は27万戸の焼失と10万人もの尊い命が奪われた東京大空襲の日と重なり、更に翌日3月11日の6年前には、東日本大震災及び津波被災に見舞われる惨事の日。
日光東照宮稲葉宮司の「無事に完了して感無量です。
この陽明門の輝きが、発生6年を迎える東日本大震災の被災地に復興の光となって届くように念願したい」というコメント(3月11日、朝日新聞記事)」から推し量れば、宮司を始め神職の方々の思いには竣功の喜びのほかに、そうした惨事への追悼を含む祭典として敢行されたように窺える。
陽明門の平成の大修理竣功は、多くの観光客を呼び寄せるだけではなく、社会貢献に注ぐ輝きをも放ち、この竣功を機に地域社会に向けた教育や福祉、そして市民への癒しとして日光東照宮奉納美術作品を日光市を通じて小中学校や公共施設、福祉施設などへの「永代貸与事業」実施への発端となった。
こうした背景を持つ「萌志展」は、同年7月21日(金)〜24日(月)まで日光東照宮客殿で開催され、2日目22日昼過ぎから「芸術奉納の儀」が催されている。
同式典では、奉納作品の受納書と芸術奉納貢献之証が授与されており、式典に参加した美術家は47名にも及び、同行者と合わせれば70名がこの式典に訪れている。
証書授与に引き続き、本殿将軍着座の間では、芸術奉納奉告特別祈祷が執行された。
展示期間4日という短い期間ではあったものの、子供から大人まで、同展に訪れた人数は述べ8百52人(芳名帳による)と多くの来場があった。
来場者の一部には海外の方もおり、国際的にも有名な世界遺産日光東照宮ならでは。
「萌志展」展示風景
天皇皇后両陛下のお控えの間にも使用された「平成の間(客殿内)」で記念撮影。
※人数の関係で数組の撮影となり一部抜粋
奉納の儀ダイジェスト
作家代表挨拶を行った日本画家中島茂夫氏
奉納に対し謝辞を述べる日光東照宮稲葉久雄宮司
「萌志展」開催の経緯と意義を述べ挨拶するWAC 最高顧問赤尾信敏氏
美術作品受納書授与の記念写真(右は画家山川賀壽雄氏)
東照宮との共催で開催した「萌志展」出品へと社会貢献を成す美術家に謝意を述べるWAC代表理事
芸術奉納奉告特別祈祷(本殿将軍着座の間)
会期
2017年7月21日(金)~2017年7月24日(月)
会場
日光東照宮客殿
式典
芸術奉納の儀(客殿/将軍着座の間)
期日
2017年7月22日(土)午後1時30分