活動内容
Activity

日本とアジアの同胞による2020スポーツ支援美術展
「令和の栄冠」開催報告

令和2年7月24日から26日の3日間、渋谷ヒカリエホールB(9階)にて、日本とアジアの同胞による2020スポーツ支援美術展「令和の栄冠」が開催された。 
 
また、9階ホール・ホワイエには平和を祈る御神酒、清酒「一品」アートラベル博覧会「芸冠は君に輝く」も併設され、展覧会入り口付近では、立ち止まり鑑賞する来場者も少なくはなかった。 
 
初日の午前には開会式も行われたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態宣言が解除されたものの、各都道府県で外出自粛の要請は続いており、そうした中で三密を避けるため、主催者ご来賓のみの異例の無観客開会式となった。 
 
主催である藝文協会赤尾信敏最高顧問によって、藝文協会の20年にわたる活動説明と会のあらましが告げられた。 
 
次に以前、赤尾最高顧問も事務総長として務められた国際機関日本アセアンセンターの藤田正孝事務総長より祝辞をいただいた。 
 
続いて、藝文協会宗像克元東洋芸術顧問による挨拶が述べられ、協力の吉久保酒造社長様にも祝電を賜った。最後に赤尾最高顧問によって平和の鐘(梵鐘)が鳴らされ、開会となった。この梵鐘はタイ王室ソムサワリ王女殿下も鳴らしたことがあり、タイ王室より頂戴したものとして、藝文協会が大切に保管しているものだ。 
 
先にも述べているが、コロナ禍の最中にこうした美術展を開催するにあたり、細心の注意をはらっていくことは極自然なことではあるが、平和を祈ることへの姿勢は崩さずに、ご来場の方々が安心して安全に美術作品などを鑑賞できるよう細心以上の細心を心がけていたことを、僭越ながらここにご報告し、ご理解いただければ幸いである。 
 
開催初日には、思いがけず延300人以上の来場者があり、当初の見込みをいい意味で裏切られた感があった。

展示風景

アートラベルに起用された赤尾最高顧問と藤田アセアンセンター事務総長

展示風景

二日目、三日目も初日に及ばずとも100人以上の来場があり、延としては500人以上の来場があった。 
 
ある意味、コロナ禍の影響というよりも外出自粛の抑制がこの度の来場の結果となったと思える。  
閉会後、出展者や来場者からは発熱等の連絡も無く、その時点で無事閉会となったと主催者は安堵した。 
 
奇しくも、開催時期が新型コロナウイルス蔓延後であったことから、新型コロナウイルス終息も踏まえての平和提唱の開催となったが、やはり子どもたちの健やかな未来を祈り、スポーツに勤しむ子供たちや若者を美術で支援していく展覧会として本展が開催されたことは間違いない。 
 
本年開催が叶わなかった東京オリンピック・パラリンピックに落胆する日本人は相当の数と思われるが、この大会に向けて日々練習をしてきた選手の思いは、一般の比ではなく、夢を追い続けてきたアスリートの気持ちは如何ばかりかと彼らの心情を労うことしかできない。 
 
予定されていた東京オリンピック・パラリンピックの開催初日だった日に水泳選手の池江璃花子さんの悲痛な思いは電波を通じて世界中に発進され、多くの人々の心に真剣に取りくんできた全ての選手たちの思いが響いたことだろう。 
 
こうした心の癒しは美術や音楽という芸術が行うものと主催者は常々考えている。本展の開催が少しでもアスリートや関係する周囲各位に届けられることを願って止まない。 
 
尚、作品は259点、アートラベルは46点、子供作品は90点の計395点が展示された。 
 
この展覧会は、本来今年開催されるはずであった東京オリンピック・パラリンピックを応援することも含んでいたが、翌年に繰り越された大会を心より応援し、各アスリートの美しい技を堪能し、その躍動美を翌年に観戦できることを大いに期待したい。 
 
さらには、芸術とスポーツが社会への癒しという両輪であることもこれから未来を担う子供たちに発進できれば幸いである。 
 
最後に、赤尾信敏弊会最高顧問、アセアンセンター藤田正孝事務総長、宗像克元弊会東洋芸術顧問にはコロナ禍のなかのご来場に感謝いたします。 
そして、輸送もままならないコロナ禍でご出展いただいたアセアン美術家にも感謝いたします。
後援名義をいただいた北國新聞社様、吉久保酒造様にも心より併せて感謝いたします。

一般社団法人藝文協会 
代表理事 石川文隆

「芸冠は君に輝く」展示全容

子供作品展示全容

展示風景

上2点:アマリット・チュスワン副学長作品

カイリ シャムスディン

平和の鐘を梵鐘する赤尾最高顧問

藝文協会赤尾信敏最高顧問 ご挨拶

日本とアジアの同胞によるスポーツ支援美術展「令和の栄冠」並びに清酒「一品」アートラベル博覧会「芸冠は君に輝く」の開催にあたり、一般社団法人藝文協会を代表してひと言ご挨拶を申し上げます。

新型コロナウィルスのパンデミックの中で行われる本日の開会式は、感染拡大防止の観点から、この美術展に出展下さいました先生方をはじめ関係者の方々の不在の中で行われ、先生方にはのちほどご来場頂くことになっております。先生方には、このような異常な環境下での実施にご理解を賜り、心から感謝申し上げます。

本美術展は元々今週末からの開催が予定されていた東京オリンピックに合わせて、日本各地の美術界の第一線で活躍される美術家の方々のご協力を得て、オリンピック・パラリンピック競技者を美術によって支援する目的で開催する予定でした。

東京オリンピック組織委員会の後援も頂いておりましたが、オリンピック自体の一年延期に伴って、今回はアジアの競技者の支援を目的とすることとなりました。タイ・シラパコーン大学のアマリット副学長とマレーシア美術家1名の出展も頂きました。

また、藝文協会では従来から内外での美術展開催に併せて、子供の情操教育の観点から、参加美術家と開催地域の子供との「ふれあいセッション」を開催して好評を博してきましたところ、今回は野球、サッカーなどのスポーツ団体や学校のクラブ、書道教室に所属する児童などの作品90点を展示しました。出展にご協力くださいました関係の皆様に感謝申し上げます。

藝文協会は本年で丁度20周年に当たります。
この間、美術家の先生方始め、関係者の皆様のご理解とご協力を得て、日本国内に加えて、海外でもタイ、イタリア、ロシア、リトアニア、マレーシア、ハワイなどで開催してきました。新型コロナの世界的流行の収束を待って、来年には海外でも再開できることを期待しておりますので、引き続きご協力、ご支援を賜りたく、お願い申し上げます。最後に後援下さいました日本アセアンセンター、タイ赤十字、北國新聞社に、また、ラベル展の開催にご協力くださいました水戸の吉久保酒造に謝意を申し上げます。

藝文協会赤尾信敏最高顧問

藝文協会宗像克元東洋芸術顧問  ご挨拶

本来ならば本日は東京で行われるスポーツの祭典オリンピック・パラリンピックの開催日に当たります。 
 
実際には一年後の開催となりましたが、今一度深く考え、準備を整える期間となったのではないかと思っています。 
 
1964年に開催された第一回目の東京オリンピック開催前は、第二次世界大戦敗戦国というものをまだまだ引きずっていた日本ではありますが、アメリカ合衆国を筆頭とした列強諸国と日本の生活水準は天と地ほどの差があり、到底欧米諸国に敵うはずもなく、そうしたことを咀嚼して邁進して参りました。 
 
しかしオリンピック開催以降は日本人の勤勉さというものもあり、大きな自信を取り戻したように感じます。 
 
今、世界的な気候変動が起こっており、日本では昨年に引き続き九州の豪雨被害によって大変な苦しみの中にありますが、これはきっと神様が、「人間よ、驕り高ぶるな」というメッセージを発しているのだと私は受け止めています。 
 
「災い転じて福となす」という言葉もありますが、このような事態を経験したことによって、非常に謙虚な気持ちで翌年のオリンピックを迎えられるのではないかと思っています。 
 
この度の「令和の栄冠」展、「芸冠は君に輝く」展開催に先駆けて出品作品をつぶさに拝見しましたが、このような時こそアートの力が必要とされるということを改めて感じました。 
 
心が豊かであれば、どのような困難も乗り越えられるような気がしますが、もし心が折れてしまったら、乗り越えることが困難になると思います。今こそ人の心を癒すアートの力に大きく期待するとともに、ここから新た 
な日本が始まると感じておりますので微力ながら美術家の皆様にエールを送りたいと思います。
本日はありがとうございました。

藝文協会宗像克元東洋芸術顧問

日本アセアンセンター藤田正考事務総長

日本アセアンセンター藤田正孝事務総長 ご挨拶

この度は「令和の栄冠」展及び清酒一品アートラベル「芸冠は君に輝く」展にお招き頂きまして、誠に有難うございます。 
 
スポーツと美術の共通点は、共に自分のパッションやエネルギーを外に出すものであると思います。スポーツは自分の体を使って表現し、芸術は自分のもつパッション・エネルギーを相手の懐に伝えるものです。そういうスポーツと美術の関係から考えますと、将来のスポーツ選手となりうる子供たちに対して、美術を通して情操教育を施していくことが非常に重要だとわかりました。 
 
さて日本アセアンセンターは、どちらかというと日本とアジアの経済活動を進め、貿易・投資・観光を繋げて相互理解を深めていくことを目的としています。 
 
しかしお互いの社会、文化を理解しなければならないと、2011年頃から人的交流を柱といたしまして、このような美術展などを後援することになりました。 
 
今回の美術展はタイ王国シラパコーン大学のアマリット副学長やマレーシアのマーラ工科大学で教鞭をとられておられるカイリ・シャムスディン様も展示されており、楽しみに参上した次第です。 
 
来年のオリンピックに向けて素晴らしい作品を通じてアセアン諸外国との相互理解をし、友好を促進する機会となることを願い、私の挨拶とかえさせて頂きます。