一般社団法人 藝文協会(芸文協会)

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を割愛して藝文協会(芸文協会)としております。

活動内容 activity

WAC被災地復興支援集会

WAC被災地復興支援集会

全ては被災地復興の為に

平和を願う芸術の魂が集結

去る5月3日、東京日本橋ロイヤルパークホテルにて「WAC被災地復興支援集会」が執り行われた。これは昨年3月11日の東日本大震災とタイで七月に起きた洪水被害への支援を目的として、茨城県の水戸市にて開催された「飛翔~東日本大震災復興美術展覧会」の流れを汲むセレモニーでもあり、復興を祈る魂を再確認し合う場として設けられた。

当日は日本美術家による、アートラベルが冠された献上酒42点が展示され、会場の注目を浴びていた。アートラベルを飾る額縁は世界一とも賞賛される茨城県大子町の漆を使用した特別仕様であり、更に展示された日本酒の収益の一部は復興支援義援金とするなど、この会を象徴する美術作品だったといっても過言ではないだろう。

            
左:野口通公室長 右:赤尾WAC最高顧問

献上酒アートラベル展 器而庵の製品説明の大パネル

オープニングは赤尾信敏WAC最高顧問が主催者代表として東日本大震災復興美術展覧会で集められた義援金を茨城県知事代理野口通公室長へと寄付した。そして赤尾最高顧問、美術家代表として書家・稲村雲洞氏、タイ赤十字名誉役員でもあるアヌワット・ブーンニティWAC常務理事らによるオープニングスピーチの後に水墨画家・田中游昭氏の手によって鳴らされた「平和の鐘」の音を合図に一分間の黙祷が行われた。

 
   

歓談前に行なわれた田中游昭氏による平和を祈る梵鐘、一分間の黙祷の様子

震災の悲しみ、未来への不安、そして希望。
厳粛な空気の中で参加者の胸の内には様々な思いが去来したに違いない。

会も中盤を迎え、書家・井上蒼雨氏の席上揮毫が行われると会場は更なる盛り上がりを見せた。井上氏は復興に願いを込めた書作品三点を披露。とても即興で書かれたとは思えない力強さ、そして作品に込められた高邁なメッセージには誰もが賞賛を惜しまなかった。

 

 

   

井上蒼雨氏の席上揮毫

自然からの恵みや共存をテーマに書かれた作品にはどれも復興への願いが強く込められ、見た者誰もが胸を打たれていた。

最後に石川文隆WAC東京理事長による閉会の挨拶をもって、WAC被災地復興支援集会は幕を閉じたが、被災地復興への支援は途切れること無く継続してゆかなければならない…。この日集まった全ての美術家ならびに関係者の誰もがそのような想いを抱いたことであろう。

WAC被災地復興支援集会 関係者挨拶

芸術家の皆様の芸術文化活動による被災地における貢献というのは非常に大きな意義があると存じます。本日はもうひとつの意味と致しまして、タイの洪水復興支援ということも兼ねております。私もタイに駐在致しましたけれども、タイから見て日本が一番大切な国であるのは勿論のことですし、日タイ関係をさらに増進する意味で、皆様による文化活動は非常に重要なものがございます。従来に増して今後ともご協力頂ければと思っております。赤尾信敏 WAC最高顧問

昨年の東日本大震災では茨城県も推計2兆5千億円という大変大きな被害を受けたわけでございますが、あれから1年2ヶ月の間皆様からご支援を頂きながら、大変明るいニュースも入ってくるようになりました。一方で、皆様が復興美術展を開催して頂きました県民センターでは未だ修復作業をしている等、こうした厳しさの続く中で、皆様からの温かいお気持ちを賜ったことを大きな励みと致しまして、復旧に全力を挙げて参りたいと存じております。茨城県知事代理 野口通公室長

美術家代表 書家稲村雲洞

今から60年前、私がまだ20代の頃、福井県の大地震により家が全壊して、全てを失いましたことを今でもよく覚えております。それから半年の間、雪が降るような季節まで屋根のない環境で過ごした経験がございます。東日本大震災も大変広い範囲に被害を齎し、大変なご苦労なさったことと存じます。人はひとりではあまりに無力で何もしてあげることはできませんが、書や芸術によって身と心に平和を齎すことができればと思います。

アヌワット・ブーンニティー WAC常任理事

タイは昨年の洪水被害から復興に向けて動き出していますが、この季節になると衛生環境が問題視されています。洪水の被害により宮殿も一部浸水し、現在修繕作業に追われております。この度はWAC世界芸術交流会の日本芸術家の皆様から作品による励ましのメッセージを届けて下さいましたことを心からお礼申し上げます。本当に勇気づけられました。これからも日本とタイの友好関係がもっと深まり、平和になることを祈念致します。

石川文隆 WAC東京理事長

本年の2月には茨城県水戸市において被災地復興美術展“飛翔”を開催致しましたが、その際は延べ人数1000人以上のお客様が来場されまして、皆様の作品のお力というものが伝わったのではないかと思います。また開催に際しましては、茨城県、水戸市、新聞メディア各社の皆様からご協力、ご後援を頂きまして改めて心よりお礼申し上げます。東日本大震災の支援は来年も続けて参りたいと思います。今後ともご協力頂ければと願っております。

会場:東京日本橋ロイヤルパークホテル
春海の間(支援集会)・ホワイエ(アートラベル展)
会期:2012年5月3日(木)
会期:2012年5月3日(木)
主催:WAC世界芸術文化交流会
広報取材:bun-ten企画編集部

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