一般社団法人 藝文協会(芸文協会)

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シエナ都市憲章840年記念 シエナ日本友好美術展覧会

子供アートセッションの様子1

子供アートセッションの様子2

ペトリオーリ博士による作品解説の様子1

ペトリオーリ博士による作品解説の様子2

ジョット作品(ウフィッツイ美術館蔵)

 

一日目

2019年10月10日(木)、成田の新東京国際空港にシエナと日本の友好交流展「シエナ日本友好美術展覧会」代表作家による訪イタリア日本芸術使節団が集結した。藝文協会(旧称:世界芸術文化交流会)では恒例の団結式を終え、一行は一路イタリアへ。

同日午後9時40分、フィレンツェ=ペレトラ空港到着。日本美術家一行は、シエナへ陸路にて移動し、宿泊先には、予定通り9時過ぎに到着。

日没時間が日本より遅いとはいえ、ホテル周辺は既に夕闇に包まれていたが、2日後に迎える満月に迫る大きな月が幻想的に夜空に浮かんでいたことは、訪イタリア日本芸術使節団を歓迎しているかのように見えた。

 

作品展観一部紹介

展示会場風景一部

二日目

訪イタリア日本芸術使節団は午後より、1995年に世界遺産に登録されたシエナ歴史地区を観光、見学した。世界一美しいと呼ばれるカンポ広場のガイアの泉の彫刻は初期ルネサンスの巨匠ヤコポ・デッラ・クエルチャによるものであり、彼のレオナルド・ダ・ヴィンチもクエルチャの彫刻をデッサンするほどに精巧かつ量感の伴った名作である。

そのほかシエナ旧市街で最も高く街に聳え立つマンジャの塔を上り、一行はシエナの地名から発生した色彩シェンナーに色づいたレンガの屋根の絨毯を見下ろし、その美しさに感嘆した。

同日、午後3時、シエナ美術館マガジン・デザーレにて「シエナ日本友好美術展覧会」が開会した。初めに一般社団法人藝文協会最高顧問赤尾信敏から開会の挨拶が行われた。

次にシエナ文化局ユーリ・ブルーニ文化交流担当官から歓迎の挨拶が行われた。特にイタリア作家の琴線に触れたのは、日本の子どもの作品が展示されたことにある。

日本の子ども作品展示風景

三日目

午前より、シエナの建造物を代表する一つドゥオーモの目の前にあるサンタ・マリア・デッラ・スカラの子供美術館において、イタリアの小学生たちと日本の美術家によるアートセッションが開催された、およそ一時間で「愛と平和」をテーマにした合作はできあがり子どもたちへの美術教育は終了した。

四日目

午前、一行は盛期ルネサンスの聖地フィレンツェに専用バスにて移動した。シエナからフィレンツェまでは約1時間半かかり、丘にあるミケランジェロ広場に到着した。フィレンツェのランドマークの一つドゥオーモが街の中央に鎮座する景観は風景画のように美しく、フィレンツェからピサまでイタリア半島を横断するアルノ川はフィレンツェの街並に沿って流れ、悠久の歴史さえも感じられた。

今回のツアー最後のハイライト、ピエールジャコモ・ペトリオーリ博士解説によるウフィッツィ美術館見学鑑賞。絵画鑑賞では、ウフィッツィと言えばやはりボッティチェリであるが、盛期ルネサンスを支えた初期ルネサンスの巨匠たちが紹介された。フィレンツェ派のジョットやシエナ派のアンブロージョ・ロレンツェッティやシモーネ・マルティーニなどが代表的画家として解説された。

いよいよボッティチェリの部屋から始まり、大工房の師フィリッポ・リッピ、ボッティチェリの弟子フィリッポ・リッピーノも解説紹介され、そのほかレオナルド・ダ・ヴィンチ、ヴェロッキオ、ミケランジェロ、カラヴァッジョ、レンブラントなどが紹介されていた。

ヴァザーリの美術家列伝検証の権威が解説紹介するという非常に贅沢な時間は日本の美術家たちに時を忘れさせたであろう。

翌朝、一行はフィレンツェを後に帰国の途についた。

2019年10月15日帰国

シエナ作品の前でグループ撮影

赤尾信敏最高顧問

ユーリ・ブルーニ文化担当官

ダニエーレ・サッソン教授

赤尾信敏最高顧問開会挨拶

ジュネーブ国連大使、ウィーン国連大使、在アメリカ合衆国日本国特命全権公使、在タイ日本国特命全権大使など歴任されるほか、90年代初頭のガット・ウルグアイラウンドの主席交渉官として見事に通商交渉を成功させた人物。

 

「シエナ日本友好美術展」の開催に当たりまして、一般社団法人藝文協会を代表して一言ご挨拶を申し上げます。

まず初めに、お忙しい中本日の開会式にご出席頂きましたシエナ市文化局ユーリ・ブルーニ様、美術展に出展下さいましたイタリアの美術家の皆様並びに日本から参加の美術家の皆様、今回の美術展の開催にご尽力下さいました関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。中でも、今回の美術展の監修を始め、日本での美術展や雑誌bun-tenの企画・編集にご協力頂いておりますシエナ日本美術家協会のピエールジャコモ・ペトリオーリ会長とダニエーレ・サッソン顧問に御礼申し上げたいと思います。

私どもにとりまして、シエナでの美術展の開催は2009年、2015年に次いで今回が3回目です。イタリア・ルネサンスの礎となり、芸術の聖地と言われる芸術都市シエナにおいて、このような美術展を開催できますことは非常に光栄なことでございます。

この場をお借りして、私どもの藝文協会の活動につきまして簡単に2点紹介申し上げたいと思います。

先ず一つは、この藝文協会は2000年に発足した世界芸術文化交流会を前身とし本年には20年目を迎えました。そうしたことを記念し当年5月に藝文協会に改称しております。

毎年、日本国内はもとより、タイを中心にしたアジアやイタリアの外、ロシア、ポルトガル、リトアニア、スウェーデン、ハワイなどで開催してきております。

もう一つの活動の柱は美術を通じた子供たちの教育です。今回のような海外での美術展開催の機会に「子供とのふれあいセッション」や「学生とのワークショップ」を開催してきております。

シエナでも子供たちの美術教育に力を注いでおられると承知しますが、私たちは明日、サンタ・マリア・デッラ・スカラの子供美術館において、イタリアの小学生たちと日本の美術家とのアートセッションを開催します。美術による教育を通じて、将来を担う子供たちの豊かな創造力や知的好奇心を育むことを目指しております。

今回の美術展を通じた皆様との交流を機に、日本とシエナ、ひいてはイタリアとの友好協力関係が一層深まることを願う次第です。

シエナ文化局ユーリ・ブルーニ文化担当官から歓迎の挨拶

皆様ようこそシエナにお越しくださいました。ありがとうございます。この美術展交流は長く続いておりまして、これからもこの関係が続くことを心より願っております。藝文協会は芸術を通じたシエナとの交流や子どもたちへの美術教育をテーマとしておりますので、それは非常に素晴らしいことだと思っております。それをこのシエナで再び行っていただけることに感謝しております。

また来年、この美術館でお会いできることを期待しております。

 

プリズママルチメディア協会会長、シエナ日本美術家協会顧問のダニエーレ・サッソン教授シエナ美術家代表挨拶

私は既に皆様の作品は存じておりますし、お会いした作家の方もいらっしゃいますので、ここにいらしていただいたことに尊敬の念をもってお迎えしたいと思います。

これまでに2度この会場で展覧会をしていただきまして、この度同様にシエナの作品も展示させていただきました。お時間が許す限りシエナの作品もご鑑賞いただければ幸です。

3回目のこの展覧会も成功裏に開催されることをお祈り申し上げます。

 

 

 

 

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