一般社団法人 藝文協会(芸文協会)

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活動内容 activity

飛翔ー東日本大震災復興美術展覧会

 

相馬野馬追武者のホラ貝を合図に書家・柿沼康二の大字書揮毫による「不沈」の2文字が茨城の地に書された

 

2011年3月11日の東日本大震災・津波は日本国民全てに大きな衝撃を与えた。世界芸術文化交流会本部(タイ)はその惨事に哀悼の意を籠め、「飛翔~東日本大震災復興美術展覧会」を被災地の一つである茨城県の水戸市において開催した。奇しくも同年に起きたタイ大洪水も世界的なニュースとなり、自然の猛威という洗礼を受けた両国に友情を超越した同胞的意識が芽生えたと言って良いだろう。タイ国からは、王族ソムラップ・キティヤコーンWAC会長、タイ赤十字名誉役員アヌワット・ブーンニティー同会常任理事も駆けつけ、本展2012年2月18日から21日の4日間の会期にて行われている。本展は被災者へ哀悼のほか今後の復興支援を行うものとして茨城県内の物産展も備え、あらゆる側面からの支援を試みた。初日オープニングには、墨を含むと60キロ以上の重さになる超大筆を操る大字書揮毫の第一人者、書家柿沼康二による「不沈」=沈まずの二文字が披露され、観客の大喝采によって本展開会の狼煙が揚げられた。また茨城同様に大震災・津波の被災地福島県南相馬市からも重要無形民俗文化財指定の相馬野馬追の武者たちが集い、陣羽織、甲冑を纏って登場しオープニング・イベントを盛り上げた。茨城県立県民文化センター二階ホールに設置された美術展メイン会場には子供作品、茨城県郷土工芸品を含め350点を超える美術作品が一堂に介し、復興を祈る芸術の魂が漂う雰囲気を見せていた。僅か4日間の日程で延べ1000人以上の来場者が訪れ、会場は大いに賑わいを見せ、恐らく、訪れた多くの人々は日本そのものを慈しみ、心を一つにしたに違いない。

 子供の元気が人々に活力を与える!

2日目午前 2月19日朝10時、本展会場2階ロビーに茨城県内の美術教室で絵を学ぶ多くの子供たちが集合した。10時半の子供ふれあいアートセッション開始時間までの間もなく、元気な子供の声が聞こえ始める。凡そ6メートル四方の作画スペースには2メートル×1メートルほどの5枚の模造紙が敷かれ、絵画、書道など美術家15名と子供25名が、開始と共に一斉に作画し始めた。「生命」という作画のテーマに従い、紙面には滾る血流とも思えるほどのエネルギーを帯びた多彩な色で埋め尽くされてゆく。初めて会う人々の打ち合わせのない共同制作ではあるが、老若を問わず美術を志す者同士特有であろう、阿吽の呼吸によって、絶妙な色合いのコンビネーションが生まれた。凡そ1時間の作画は終了したが、まだ会場は熱気に満ちており、プロの美術家と同じ紙面に作画した者として小さな美術家たちの誇らしい笑顔が輝いていた。

 

作画後には、赤尾信敏WAC(世界芸術文化交流会)最高顧問による総評として、生命の大切さと環境を守る重要性を籠めて、本会を激励した。続いてタイ国王族ソムラップ・キティヤコーン同会会長から、感謝状が手渡された。恐らく、大人が思う以上に子供たちは震災という惨事を充分に理解しているだろう。復興支援という言葉以上の、幼い心の内にある〝がんばろう〟という気持ちには、我々主催者も心底、励まされた。

日本美術家たちが水戸に結集し復興への決意を誓い合った

凡そ二時間の短い時間のなか、日々努力して生きる、安全は人の力で確立するものであることを再認識し語らう美術家たちの姿が見受けられた。我々主催者側も〝地震国日本〟という言葉を忘れかけていたことに気づいた。また、地震や津波災害へ対する認識はあるものの、実際に起きた時の行動や避難経路などに頓着が無かったことに深く反省せねばならないとも感ずる。また、安全、平和は既にセットされているものではなく、日本国民を含む世界の人々がいつも気に留めておく必要があることを美術が示したと思える。二日目午後 県民文化センターにほど近い、ホテルシーズンにて「飛翔~東日本大震災復興美術展」懇談会が、午後二時半から行われた。遠くは関西や北海道からと、本展出展者である美術家が全国から被災地茨城に訪れた。始めに世界芸術文化交流会の赤尾信敏最高顧問挨拶、ソムラップ・キティヤコーン同会会長の乾杯挨拶、アヌワット・ブーンニティー同会常任理事挨拶に続き、水戸市役所観光課、産經新聞社水戸支局長の順にご挨拶を頂く。その後、坂本半酔WAC本部教育顧問の自己紹介と挨拶に続いて美術家たちが震災への哀悼を籠めて挨拶した。最後に地元酒蔵吉久保酒造専務より震災当時の話を交えて復興への強い思いを語られ、会場の全ての人々が改めて支援の志を新たにしただろう。

日本美術と被災地を応援するために駆けつけた来賓の方々

ソムラップ・キティヤコーン WAC会長

 

赤尾信敏 WAC最高顧問

 

アヌワット・ブーンニティー WAC常任理事

 

宗像克元 WAC美術顧問

 

三保谷浩輝 産経新聞社水戸支局長

 

石川文隆 WAC東京支局長

 

宮崎良太 水戸市役所観光課係員

 

吉久保博之 吉久保酒造専務

 

会場 : 茨城県立県民文化センター2F
一般展示室・県民ギャラリー

会期 : 2012年2月18日(土)~21日(火)

主催 : WAC世界芸術文化交流会

広報取材 : bun-ten企画編集部

広報協力 : フリーペーパー(サクラサクライフ・Canta・月刊ぷらざ)

後援 : 茨城県庁・水戸市役所・水戸観光協会・結城市役所
毎日新聞社水戸支局・茨城新聞社・産経新聞社水戸支局・東京新聞水戸支局・読売新聞社水戸支局
共同通信社水戸支局・NHK水戸放送局・茨城放送

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