一般社団法人 藝文協会(芸文協会)

文中の表記におきましては、一般社団法人
を割愛して藝文協会(芸文協会)としております。

活動内容 activity

咲笑-東日本大震災復興美術展覧会

本展は、2011年3月11日に起きた惨事への美術よる復興支援を目的として開催しております。東日本大震災復興美術展は、昨年2月には飛翔を冠とした名称で被災地茨城県水戸市を第一回目の開催地として行われており、第二回目は「咲笑(さくら)」を冠として栃木県日光東照宮客殿において本年4月に開催されました。東照宮は国内外にも有名な征夷大将軍徳川家康公を祀る天下泰平を祈る日本有数の霊験な神社の一つであり、徳川将軍家が築いた江戸期は260年以上という長きに亘る泰平の世として知られ、それに肖り現世の恒久平和を祈願するものとして実施されました。日本美術家による出展は195点、栃木県内を中心として各地の子供作品は42点となり、大規模な出展数が全国から寄せられました。本展主催は復興祈願の他、微力ながら被災地への美術的支援や募金活動も行い、早期復興への一助となることを切望しております。

開会式(初日、客殿一階ロビーにて)

 

 

 

       

平成25年4月13日(土)午前11時、世界芸術文化交流会(以後WAC)赤尾信敏最高顧問の開会の挨拶に始まり、続いてタイ王国バンコク都からWAC会長の王族ソムラップ・キティヤコーン殿下より震災復興支援を目的とする本展の意義に称讃するお言葉を賜った。

その後、日光市長代理として湯澤副市長、産經新聞社宇都宮支局長鶴谷(つるがや)様、日光東照宮稲葉宮司の順で本展開催の祝辞を賜り、何れからも芸術による文化支援にご賛同頂く言葉を頂戴し、日光市全体の歓迎振りが強く感じられた。

本展を主催するWACは、本部をタイに置くことから、タイ・ゾンタ・インターナショナル・クラブ(女性の地位向上と社会貢献団体)役員2名とWACアヌワット・ブーンニティー常任理事もタイから駆けつけて頂くなど本展は海外の方々の支援をも受けながら盛会に幕が切って落とされた。

未だ寒さが厳しい日光の春にもかかわらず、総勢51名もの日本美術家が参列に見られた。

 

 

日光東照宮客殿二階には本展出品作が195点展示され、一階ロビーには、書家祥洲揮毫書とともに栃木県内の美術教室の子供達の作品42点が展示された。
会期中には日光東照宮参拝客も多数訪れ、震災復興を祈願する展覧会と知り、受付に設置した募金箱に募金する姿も多数見られた。

(写真左:湯澤主典 写真右:石川WAC代表理事)
186名の名が記された芸術文化奉納者プレートが湯澤主典にWAC代表理事から手渡された。

 

芸術文化奉納者プレート

日光東照宮陽明門の屋根を象ったデザインが施され、同宮社務所に恒久的に展示保管されることとなった

 

書家 祥洲による献書揮毫「咲笑」

開会式は盛会の様相を呈してはいたが、その中で行われた書家祥洲による献書揮毫は、震災復興祈願と被災者鎮魂を主とし、粛々としたスタイルで会場の空気を一気に変えていった。既に厳粛に進められた式典を更に高い位置へと導いたように思える。きっと参列した多くの美術家の気持ちも書す筆の筆鋒に乗り移っていたに違いない。

昨年の伊勢神宮にて行われた式年遷宮献書揮毫に引き続き、本年は日光東照宮にて復興を祈る献書「咲笑」が粛々と揮毫された。書き終えて、書家祥洲氏は日光東照宮という場所で、被災された方々を思い書すということは、命を懸けなければならないと、息が上がり途切れそうな言葉を整えるように揮毫書について説明した。

芸術奉納の祈祷~直会

開会式終了とともに関係者及び参列者は、日光東照宮本殿「将軍着座の間」に移り、東日本大震災復興祈願の祈祷を受けた。霊験あらたかな東照宮の神力を授り、身も心も清められた一同は再び客殿に戻り、芸術奉納者名碑奉納と奉納証書授与が為され、直会にて散会となった。

(※当日のマスコミ取材:読売新聞社日光支局、毎日新聞社日光通信部、産經新聞社宇都宮支局、下野新聞社、とちぎテレビ)

美術家と子供達の作品共同作業
「子供ふれあいアートセッション」(2日目)

午前10時頃から、本展2日目のイベントとなる「子供ふれあいアートセッション」参加のために栃木県内美術教室の子供達が東照宮に多数訪れた。受付で来場者芳名帳に名前を書く小さな子供達の姿を目を細めて見守る美術家の方々が印象的であった。

午前11時、始めにソムラップWAC会長と美術家からは安枝楠游氏が代表挨拶をし、いよいよアートセッションが始まった。客殿前の広場の作画スペースに、2メートル四方に及ぶ模造紙4枚が敷かれ、無題として子供達と美術家の共同創作が行われた。作画方法としては、絵の具は原色のみを使用し、子供達は美術家のアドバイスや自分自身のアレンジで様々な色を創り、その色彩によって、元気よく紙面に作画して行く。

常日頃から子供に美術指導される美術家達は、子供の絵を引立てるような補筆を施すなど手慣れたコミュニケーションも見受けられ、会場は賑やかに笑顔が絶えない。

凡そ1時間の作画時間も瞬く間に過ぎ、見る間に絵画が仕上げられ、作画終了時には、立派な作品を見ることができた。恐らく誰もが、子供の想像力と美術家の創造力が呼応して出来た作品が輝きを放ち、自然に抱かれた東照宮の清々しい空気にさえ共鳴していたように感じられたことだろう。

作画後に、赤尾信敏WAC最高顧問から総評を頂き、同会代表理事の閉会の挨拶で本イベントが終了した。

 

 

 

ソムラップ殿下と行く「日光小学校訪問」(3日目)

 

WAC会長タイ王族ソムラップ・キティヤコーン殿下、同会赤尾信敏最高顧問などWAC役員並びに日本美術家総勢一六名は、美術文化振興と子供教育の現場を視察するために日光小学校授業参観に向かった。

午前11時頃にソムラップ殿下らを乗せた専用車が到着し、校内の一室にて校長自らがお茶を振る舞う歓迎を受けた。

体育館では全校児童二五三名が、殿下を始め我々を歓迎してくれた。始めに全校児童による合唱(さんぽ:映画「となりのトトロ」主題歌)があり、その後は児童を代表して六年生の女子児童が歓迎のスピーチを読み上げ、最初の一言はタイ語で行うなど、訪れた一行の表情には笑みが溢れる感動の場面となった。それに返礼するようにソムラップ殿下の謝辞が行われ、最後に日光小学校の校歌で式は終了となり、授業が行われる教室へと向かった。

始めの参観は四年二組の書写の時間となり、「ひな」という平仮名を書写する子供達の授業風景を参観した。授業中に書家の方が少し手伝う場面も見られ、本格的な書の達人のワンポイント指導に子供達も喜んでいたように思える。

次に四年一組の音楽の時間を参観し、子供達の歌や演奏が披露され、ソムラップ殿下始め参観者全てが拍手喝采し、子供達の合唱演奏に称讃した。地元民謡「日光わらく」の太鼓やお囃子の大音響は小学校を後にしても余韻が残る心地よい響きであった。

小学校の計らいで昼食時は、参観者全てに給食が振る舞われ、懐かしい給食を楽しむ美術家の方々の笑顔が印象的であった。

食事の前には、ソムラップ殿下が子供達のためにタイから持参されたお土産を校長先生に手渡された。

 

 

 主催者挨拶及び来賓祝辞要約抜粋

 

WAC最高顧問 赤尾信敏

 

 

 

 

 

本日はタイからソムラップ殿下をお迎えし、湯澤日光副市長、稲葉宮司とマスコミ各社代表の産經新聞宇都宮支局長鶴谷(つるがや)様ご臨席の下、東日本大震災からの復興を祈念する本展を開会できますことは、私達にとりまして非常に光栄なことでございます。
日本は世界中の支援を頂いておりますが、当会本部のあるタイからも王室、政府、企業、国民から、「これまで、どの国にもしたことのない大きな支援」(在京タイ大使館)が寄せられました。改めて感謝申し上げます。そして、この美術展への参加を通じてご協力下さいました美術家の皆様に心から謝意を表明します。
最後になりますが、会場の提供始め種々のご協力を頂きました日光東照宮並びに後援協力関係者の皆様に感謝を申し上げます。

 

WAC会長 ソムラップ・キティヤコーン殿下

 

 

 

 

本日は「咲笑~東日本大震災復興美術展覧会」にお招き頂きまして誠に有難うございます。
日本では一昨年前に地震や津波によって被害が齎されましたが、タイも以前に津波による大きな被害に見舞われましたので、私は日本の被災地の方々の苦しみや、被災されずとも被災地を思う日本の人々の悲しみを充分に理解出来ます。
そして私は、テレビニュースなどで報道される日本人の皆様が、震災後にも直向きに前へ進もうとする姿勢に心を打たれるとともに、日本人特有の忍耐強さと努力が少しずつでも復興へ導いていることに感銘を受けました。このような日本の人々の姿を見て、世界の人々が自分達も頑張ろう、そして日本を助けようと思うのではないかと思います。

 

日光市 湯澤光明副市長(市長祝辞代理スピーチ)

 

 

 

 

 

本日は開会式にお招きを頂き、誠に有り難うございます。また、本展がタイ王族のご臨席を賜り、日光市で盛大に開催されますこと、心よりお慶び申し上げます。
東日本大震災では、この日光市も被害を受け、現在、全市をあげて復興に取組んでいるところに、この展覧会の開催地を日光市に選んで頂きましたWAC関係の皆様には、心よりお礼を申し上げる次第です。この美術展は、優れた作品展示のほか、子供達へのワークショップも開催され、老若を問わず多くの方が参加し、心の癒しや勇気を与えようとする素晴らしい催しです。
最後になりますが、美術展覧会の成功、及び世界芸術文化交流会の益々の発展とご活躍を祈念致しまして、私の挨拶とさせて頂きます。

 

産經新聞社宇都宮支局
鶴谷和章支局長

 

 

 

 

 

東日本大震災では東北三県が多大な被害を受けましたが、この栃木県も被災致しました。死傷者が出たほか、家屋の倒壊など、県内各地で大きな被害がありました。そして、現在でも栃木県は農産物や観光業では風評被害などの影響があり、まだまだ震災以前の状況には回復出来ていません。
私共と致しましても、震災の現状を報道するだけではなく、復興への道筋、課題などを取り上げ、発信することで復興の一助になればと願っております。
今回の「咲笑」のような、震災復興のための活動には全面的に賛同致します。少しでも多くの方にご覧頂き、展覧会をサポートできればと後援させて頂きました。一日も早い被災地の復興を願っています。

 

会場 : 日光東照宮客殿
会期 : 平成25年4月13日(土)~17日(水)
主催 : 一般社団法人世界芸術文化交流会
後援 : 栃木県/日光市/日光観光協会/朝日新聞社宇都宮総局/読売新聞社宇都宮支局/毎日新聞社宇都宮支局/産經新聞社宇都宮支局/
東京新聞宇都宮支局/下野新聞社/共同通信社宇都宮支局/NHK宇都宮放送局/栃木放送/とちぎテレビ
協力 : 日光東照宮/栃木県内子供美術教室/タイ赤十字

 

 

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