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赤十字・永遠の愛芸術展=Red Cross Eternal Art and Love Exhibition

外務省推進“日メコン交流年2009”認定事業

赤十字・永遠の愛芸術展

=Red Cross Eternal Art and Love Exhibition

 

 

 

外務省推進“日メコン交流年2009”認定事業


本展開催にあたりまして『赤十字・永遠の愛芸術展』=Red Cross Eternal Art and Love Exhibition
開催報告(王室写真入)
タイ王室ソムサワリ王女殿下ご来場・グランドオープニングセレモニー

外務省推進“日メコン交流年2009”認定事業『赤十字・永遠の愛芸術展』は、2009年11月28日から、世界エイズデー12月1日の間、タイ王国バンコク都バンコク・アート・アンド・カルチャーセンターにおいて開催されました。 主催は、2009年初頭にタイ王室ソムサワリ王女殿下を日本に招いた世界芸術文化交流会(以後:WACと表記)となり、開催趣意は、大きく掲げるところ“世界平和”ですが、とりわけタイ王国との大きな繋がりはタイ赤十字を通じた芸術交流となり、両国において芸術分野で活躍する美術家による『AIDS撲滅活動』を行うことで尊い命を護ってゆこうとするものです。この美術展を開催することで、多くのエイズ患者への精神的なケアや母子感染した子供たちへ、J2CやGPOなどの新薬投与を施すための支援を促進し、現実的視野で世界平和を提唱してゆくことを目的としております。尚、このイベントに際し、タイ王室ソムサワリ王女殿下を初め、タイ赤十字、タイ政府外務省、タイ政府観光庁、バンコク都、日本アセアンセンター、日本タイ協会など、多くのご支援ご協力を賜りましたこと心から感謝申し上げます。

  主催:WAC世界芸術文化交流会
  後援:タイ赤十字/タイ政府外務省/タイ政府観光庁/バンコク都/国際機関日本アセアンセンター/財団法人日本タイ協会
 

協力:バンコク・アート・アンド・カルチャーセンター/タイ国立シラパコーン大学

(協力:パンヤ・ヴィジンタナサーン教授、アマリット・チュスワン教授)

 

王女殿下御来場で幕を開けた「日タイ芸術文化交流10年の慶事」
2009年11月30日(18:30~) バンコク都美術館

『赤十字・永遠の愛芸術展』は、「バンコク・アート・アンド・カルチャーセンター(バンコク都美術館)」の1階から4階、地下1階までを用いた大規模な展示会となった。とりわけ11月30日のグランドオープニングセレモニーは、本展示会の開幕を示すと共に最大の山場として迎えられた。何故なら当日、タイ王室ソムサワリ王女殿下が御来場されるからである。王女殿下はタイ赤十字の代表を務められるほか、料理メニューの開発など実に多彩なご公務に日夜尽力されている。そのため国民からの人気が高く、現在は高齢のプミポンアドゥンヤデート国王陛下を支えるタイ王国の顔の1人と言える存在だ。そのような国の顔とも言える王女殿下がいらっしゃるとあって、美術館では予ねてより入念な準備が重ねられた。当日は一般客の入場は一切禁止され、早朝より厳重な警備が布かれた。

一方、『赤十字・永遠の愛芸術展』グランドオープニングセレモニーには、作品が出品されている日本代表の現代美術家が招かれており、単なる列席ではなく、大切な客人として招請を受けた形の参席である。無論、このようなことは異例のことであり、王女殿下の御意向なしには実現しえるものではない。
このような特例が認められた背景には、王女殿下と日本美術家の間で紡がれてきた10年にも亘る日タイ芸術文化交流がある。2009年1月に王女殿下が来日された際、長い年月を経て一層強固になった日タイの結びつきを喜ばれると共に、改めてタイ・バンコクにてこの素晴らしき美の軌跡を披露されることを望まれたのである。

バンコク都美術館玄関口で、ソムサワリ王女殿下をお出迎えする
赤尾信敏元在タイ日本国大使館特命全権大使(中央)と、
隈丸優次現在タイ日本国大 使館公使(左)

 

緊張の面持ちで王女殿下のご登場を待つ日本美術家一行

 

タイ赤十字への寄付がWAC東京支局長(左)より
王女殿下に献上される

 

午前中の子どもたちとの交流を終えた日本美術家一行は、美術館1階フロアで王女殿下拝謁礼式のリハーサルを行った。この拝謁礼式の作法を守れなければ、どれほど大切な客人でも不敬と看做されてしまうのだ。待つ夕刻のグランドオープニングに備えホテルへと向かう。既に場内は王女殿下のご来場を待つ人々でいっぱいになっており、異様なほどの緊張感に満ち満ちていた。1月に来日された時もピンと張り詰めたような空気を体感したが、今回はその比ではなかった。肩章の付いた白い制服姿のタイ宮内庁職員は、王女殿下がいつ見えても良いよう、絶えず入場口の方に注視していた。

鐘の音が告げる日タイ芸術文化交流10年目の再出発


中村鳳仙氏による揮毫を真剣に御覧になられる
王女殿下(右)。 書道がお好きだという王女殿下は、
いずれご自身でも書を習ってみたいと考えて
いらっしゃるそうである。

同日午後6時30分、警察の警備車両に囲まれ、ソムサワリ王女殿下の御車がご到着された。すぐさま王女殿下の色である紫の大きな傘が殿下の頭上に差し出され、WAC顧問赤尾信敏氏(元在タイ日本国大使)、タイ赤十字名誉会員アヌワット・ブーンニティー氏、在タイ日本国大使館隈丸優次特命全権公使を初め、タイ国の有識者が赤絨毯に沿って出迎えた。パトカー先導に6台の車列にてご到着された王女殿下は、路上より敷かれた赤絨毯の上をお歩きになり、オープニングセレモニー会場へとご入場された。壇上の椅子にご着席と同時に司会進行によって、バンコク副都知事、タイ赤十字名誉会員ブーンニティー氏、WAC顧問赤尾氏の順に開会スピーチをされた。続いてWAC東京支局長が、日本美術家代理として赤十字へ寄付献上。その後、日本美術家を初め関係者へ、王女殿下より直々に名誉の徽章が授与された。徽章は王女殿下の紋章が記された極めて特別な品であり、王女殿下の色である紫色と金の彩色が美しい。名前を呼ばれる度、日本美術家は緊張の面持ちで作法に倣い拝受した。


ソムサワリ王女殿下(中央)が平和の鐘を鳴らし、
赤十字・永遠の愛芸術展は本当の意味で幕開けとなった

徽章の授与が終わり、いよいよ王女殿下の作品御展観となる。会場には“平和の鐘”が据えられ、まずその梵鐘を鳴らされた。まさにグランド・オープンの合図の鐘の音が会場に鳴り響いた。同時に、王女殿下は日本美術家の作品を順に御鑑賞されてゆかれた。1月のご来日に比べ、ご公務のスケジュールも少なく、ゆったりとした歩調でじっくりとご覧になられていたことが印象的であった。日本美術家の作品解説にも真摯に耳をお傾けになり、全ての作品に対して真剣な眼差しを向けられるお姿に日本美術家の昂揚も隠しきれない。全ての日本美術家及び関係者にとって、これまでの努力が報われる光景であったことは間違いない。

 

1時間以上に及ぶ展観を終えられた王女殿下は、そのままご退出となり、日本美術家に見送られながらご帰還された。王女殿下は名残惜しそうに日本美術家に微笑み、その場に別れを告げられた。この大きな慶事を経て再出発を切った日タイ芸術文化交流は、きっと更に大輪の花を咲かせるだろう。


作品をご鑑賞される王女殿下(上4写真)。1点1点、真剣に作品を御覧になられながら、
日本美術家の解説に耳を傾け、談笑される御姿は会場の参席者・関係者全ての心に深く刻まれた。

萩原譲治WAC名誉顧問からは、
本展に向けてメッセージと自作の詩が寄せられた

 

厳重な警護の中でご帰還される王女殿下

 

赤尾元大使(左2番目)、WAC東京支局長
(左端)別れの挨拶
 

 

2009年12月1日(火)
午後5時、王女殿下の特別なはからいにより、日本美術家は世界エイズデーセレモニーに参列した。会場中央には赤十字のマークとWACのマークが記された凡そ1メートル以上の大きなロウソクが据えられ、赤十字理事長のスピーチを始めに数名の赤十字関係者によるスピーチ後、王女殿下のロウソク点灯とともに式典が始められる。赤十字に貢献するタイ国有識者の表彰ののち、少年少女による合唱とともに王女殿下ご帰還となる。ご乗車までの花道には多くのお見送りでいっぱいになった。その花道の先頭には日本美術家3名(松本花雲氏、枝松國明氏、鬼頭恭子氏)より作品が献上され、王女殿下はにこやかにお礼を述べられたあとにご乗車され会場を後にされた。

松本花雲氏

 

鬼頭恭子氏

 

枝松國明氏

 

会期:2009年11月28日(土)~12月1日(火)
会場:バンコク・アート・アンド・カルチャーセンター(タイ・バンコク)

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