一般社団法人 藝文協会(芸文協会)

文中の表記におきましては、一般社団法人
を割愛して藝文協会(芸文協会)としております。

活動内容 activity

芸術仮想空間展

芸術仮想空間展

国立エルミタージュによる現代日本美術解析

2011年11/15~11/19 ロシア・サンクトペテルブルク
成田~ロシア 出発の時

11月15日、日本美術家一行21名は、国立エルミタージュ主催による「芸術仮想空間展」に赴くべく成田空港に集結した。そしてWAC赤尾信敏最高顧問による出立の声とともに一路サンクト・ペテルブルクへ向かった。

同日午後10時を回り、現地に到着。いよいよ明日から国立エルミタージュとの芸術交流の幕は切って落とされようとしている。
(※市内最大の目抜き通りに位置する、コリンシア・ネフスキーパレスに宿泊)

厳粛かつ恍惚の館、エルミタージュ美術館へ

11月16日午後、国立エルミタージュ美術館にて副館長ウラジーミル・マトヴェーエフ博士より日本美術家を歓迎する挨拶が為され、副館長によって選任された学芸員の案内を受けて作品の鑑賞が行われた。
(※美術館の招待となり、正門からではなく大エルミタージュの関係者通用口から入館)

いよいよ世界最高の美術館、国立エルミタージュに乗り込む日本美術家たち。歴史的建造物として、そして展示される偉大な作品の数々に言葉を失った。

館内に入るとすぐマトヴェーエフ副館長による手厚い歓迎の挨拶が。
日本美術家に対する期待の証だろう。

 

 館内ではセルゲーエヴィチ学芸員の案内で、
貴重なレンブラント作品の解説も行われた。

歓迎の宴~レセプションパーティ

赤尾信敏WAC最高顧問

松山哲士在サンクト・ペテルブルク日本国副領事

 

露日友好協会ルィービン会長

 

赤尾最高顧問によって日露芸術の友好の鍵がウラジーミル・マトヴェーエフ副館長に手渡された。

 

クラフチューナス博士より収蔵証明書と手土産がWAC東京支局長に渡された。

   
 

 

 

   

同日夕刻、「芸術仮想空間展」開催前夜のレセプション・パーティーが宿泊ホテルバンケットにて開かれた。在サンクト・ペテルブルク日本国総領事館の松山哲士副領事やロシア側からは国立エルミタージュ美術館副館長ウラジーミル・マトヴェーエフ博士始め、同館美術造形児童スタジオ代表ボリス・クラフチューナス博士、露日友好協会ルィービン・ヴィクトル・ヴィクトロヴィチ会長など8名のロシアの方々が出席された。

始めに国立エルミタージュ美術館副館長マトヴェーエフ博士の挨拶、続いてWAC赤尾最高顧問挨拶、松山副領事祝辞、露日友好協会ルィービン会長の祝辞が為され、赤尾最高顧問によって日露芸術の友好の鍵がマトヴェーエフ副館長に手渡された。その後続いて、マトヴェーエフ副館長からも友好の鍵が赤尾最高顧問から美術家すべてに贈られた。

同時に日本美術家からもエルミタージュ美術館収蔵となる作品が副館長に贈られていた。

レセプションのオープニングで盛り上がった宴席は、書家小山誠一氏の乾杯の音頭によって食事歓談の場面へと移っていった。

最後に国立エルミタージュ美術館美術造形児童スタジオ代表クラフチューナス博士より収蔵証明書と手土産がWAC東京支局長に渡され、東京支局長の宴席を締めくくる挨拶によって宴席の幕は下ろされた。

エルミタージュと日本美術の歴史的コラボレーション
芸術仮想空間展「花と人間」が遂に開幕

芸術仮想空間展オープニングスピーチ(※一部抜粋)

 

国立エルミタージュ美術館副館長
ウラジーミル・マトヴェーエフ博士

昨日は素敵な作品を頂きありがとうございます。しかし一番素敵なプレゼントは皆様とお会いできたことです。今日は大変特別な展覧会にするために皆様の協力を、そして大人だけではなく子供たちの協力も必要です。スパシーバ。

 

WAC世界芸術文化交流会最高顧問
赤尾信敏謝辞

WAC発足から続く子供への美術教育活動が、今回の交流へと繋がった訳ですが、これもひとえにWACのこれまでの活動を支えた日本美術家の方々の作品あってのことだと、私やWAC全体は認識しています。

 

エルミタージュ美術館美術造形児童スタジオ代表
ボリス・クラフチューナス博士

我々の造形児童スタジオの活動は1957年に始まりましたが、今では五歳から11歳までの100人くらいの子供が参加しています。子供の作品を通して美術を理解する、我々の目指す教育成果を本日皆様にお見せ出来るでしょう。

 

在サンクト・ペテルブルク日本国総領事館
川端一郎総領事

「芸術仮想空間展」は単なる美術展覧会ではなく市民参加型の知的交流という非常にユニークで重要な催しです。こういう行事を通して日本とロシアの人々をより友好的にさせる、そのような大きな役割を期待しております。

 

学術・メソッド部「学校センター」メソッドグループ代表
クローラウ・ナターリヤ・エフゲーニエヴナ博士

ロシアは秋に入り非常に日が短く寒くなってきましたが、このプロジェクトは「花と人間」という非常に明るい未来を見据えたテーマです。このプロジェクトが成功し、お互いの文化の理解がより深まることを祈っております。

 

 

 

 

   

 日本美術界初の試み「芸術仮想空間展」が始まった

午前11時、「芸術仮想空間展」会場のスタラヤ・デレーヴニャ(国立エルミタージュ収蔵館)に到着。収蔵物の多さでは世界屈指とされる国立エルミタージュ美術館が新たに建設した近代的な収蔵館としてオープンしたスタラヤ・デレヴーニャは国立エルミタージュ美術館から北西に30分ほどの場所に位置しており、大ネヴァ川と小ネヴァ川の分岐からほど近い。この近代的な建物は、厳重なセキュリティーシステムによって守られ、部屋から部屋の移動においてもIDカードのセンサーによって扉を開けなければ行き来できないほどである。また、美術的文化団体や学校などの申請によって見学は許されており、観光として開示されることはないというほど権威の高い場所であることは間違いなく、この度招待を受けた日本美術家一行はそれを栄誉として受け取るべきことであると確信する(その内部の模様に関しては後述)。

午後2時「芸術仮想空間展」が開会される。初めに在サンクト・ペテルブルク日本国総領事館川端一郎総領事から祝辞と挨拶がなされ、続いて国立エルミタージュ美術館学校センターを代表してクローラウ・ナターリヤ・エフゲーニエヴナ学芸員から挨拶となった。祝辞挨拶を頂戴したのちエルミタージュ美術館美術造形児童スタジオ代表ボリス・クラフチューナス博士による開会の挨拶とともに同館の児童教育システムについて講義が行われ、その後WAC赤尾最高顧問によってWAC活動の沿革とともに今回の展示に至る経緯の説明が為された。背景にはプロジェクターに映し出された日本の子供50名の作品が紹介されていた。(※日本の子供作品には後日、エルミタージュ学芸員によるコメントが添えられ、そのコメントが日本に贈られる予定)

およそ一時間のオープニングに続いて、「芸術仮想空間展」が行われた。約100名の日本美術家の作品にはクラフチューナス博士の解析コメントが発表され、同時に45名のロシアの子供たちの作品に、会場に出席した日本美術家の解析コメントが発表された。

解析が始められてから約一時間後にマトヴェーエフ博士(副館長)の引率によってロシアの子供たちが入場し、元気な子供たちの熱気に包まれ解析の場面は更に大きな盛り上がりを見せた。

 日露子供作品上映&子供ふれあいアートセッション

   
 

午後6時
「子供ふれあいアートセッション」開始となる。花と人間をテーマに子供たちはすぐに作画し始め、日本美術家もその様子に連れて合同で作画を始めた。子供の熱心な作画が日本美術家たちの心に何かを芽生えさたように感じられ、主催者側も所要時間を更に追加したいという衝動に駆られただろう。

午後7時

WAC赤尾最高顧問によってロシアの子供たちに展示とアートセッション参加の感謝状が手渡され。その後、クラフチューナス博士から各日本美術家へ出展と受講の証明書が授与された。およそ8時間に及ぶ催事は本会の成功とともに幕を閉じた。

   
   

 

ツアー中に行われたロシア芸術のもう一つの醍醐味、歴史的建造物見学…
そして旅のフィナーレへ

エカテリーナ宮殿

 ロシアに到着した翌日の11月16日、日本美術家一行は、エカテリーナ宮殿見学に向かった。質素を美徳としたエカテリーナ二世によって金箔を取り払われていた宮殿も、ロシア政府の意向により以前の美しく豪華なエカテリーナ宮殿を取り戻すため、現在は金箔を貼る大改修が進められており、まだ改修の途中ではあるが、既に金箔をあしらった建物の柱の飾りは黄金に輝き美しいエルミタージュが徐々に蘇えっている。中央の階段を上ると当時の宮廷執事たちによって、示されていたことであろう天気予報計が据えられている。そのほか国宝級の天井画や壁画が一行を出迎え、日本の美術家たちはその美しさを堪能されたことだろう。

宮殿内には、エカテリーナのユーモアセンスを示す展示品がある。テーブルに置かれた果物は全て陶器で制作されており、間違えて口にした宮官もいたのではないかと想像させるほどだ。

収蔵館

 11月17日、「芸術仮想空間展」の本番直前の午前中には収蔵館の見学。普段では写真撮影が一切禁止されている収蔵庫内も撮影許可があり、国立エルミタージュの歓迎ぶりが解る一つの事例となるだろう。収蔵品にはイコンや彫刻、巨大な壁画、家具調度品、ロマノフ王朝時代の王宮備品など数千点以上に及び、一日ですべてを見学することに困難を極めるほどの規模に誰もが唖然とさせられた。

クレムリン宮殿

 11月18日。芸術仮想空間展が大成功に終わった翌日、日本美術家一行は場所を変え、モスクワへ飛んだ。この日は各々が、歴史的イベントをやり遂げた満足感と旅の最終日という寂しさの入り混じった複雑な心境であったに違いない。最後はクレムリン宮殿の前で記念撮影をして旅のフィナーレを迎えた。

 

主 催:国立エルミタージュ美術館

共 催:WAC 世界芸術文化交流会

協 力:国立エルミタージュ美術造形児童スタジオ

後 援:在サンクトペテルブルク日本国総領事館(予定)

開催日:2011年11月17日

会 場:MODERN HERMITAGE in StarayaDerevnya

(モダーン・エルミタージュ スタラヤ・デレヴーニャ=国立エルミタージュ収蔵修復センター)

 

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