一般社団法人 藝文協会(芸文協会)

文中の表記におきましては、一般社団法人
を割愛して藝文協会(芸文協会)としております。

活動内容 activity

日アセアン友好文化交流展 開催報告

ASEAN設立55周年-タイ国立シラパコーン大学創立80周年

日アセアン友好文化交流展 開催報告

 

 藝文協会では2022年のASEAN設立55年の節目と、2023年に迎えるタイ国立シラパコーン大学創立80周年の記念催事として、日本アセアンセンターにて「日アセアン友好文化交流展」を開催しました。本展開催の意義は、アセアン諸国の優れた芸術によって未来ある子どもたちの情操教育を行うことを目的としており、更にはコロナ収束と世界平和をアジアが一丸となって願う美術展となります。また、本展ではタイ国立シラパコーン大学副学長、ヴェネツィア・ビエンナーレタイ代表作家であるアマリット・チュスワン教授作品をはじめ、シラパコーン大学を代表するタイ王国美術家作品と、厳選された日本美術家を一堂に展示いたしました。

 尚、2023年にはタイ王国の国立シラパコーン大学アートセンターあるいはタイ・ナショナル・ギャラリー(タイ国立美術館)において、本展に展示された優秀作品としてシラパコーン大学副学長アマリット・チュスワン教授に選抜された美術家による国際展覧会を開催する予定です。

 タイアーティストをはじめ、アセアン地域のアーティスト作品と現代日本美術家作品が一堂に展示される美術展となり、日本の子ども作品展示も検討しています。

 アジアの同胞として、平和で明るい未来を実現するために美術が必要不可欠であることを証明し、よりアセアン諸国との文化理解をはかって参ります。

 

2022年4月9日(土)開催
「日アセアン友好文化交流展」出展推挙状授与式の様子(一部抜粋)

 

工芸家 田口美男作品の前で(左:平林事務総長/中央:宗像東洋芸術顧問/右:赤尾最高顧問)

赤尾最高顧問より推挙状授与(山岳画家中島茂夫氏)

 

赤尾最高顧問ご挨拶

 ただいまご紹介いただきました赤尾でございます。本日は皆様お忙しい中、またコロナの第七波もはじまるなか本日の授与式においでいただきまして有難うございました。
 また日本アセアンセンター平林事務総長はじめセンターの皆様には土曜日にも関わらずおいでいただきましてありがとうございます。本日の会場貸与にも感謝申し上げます。
 藝文協会の活動について簡単にご説明いたします。藝文協会は2000年設立当初亜細亜芸術文化交流会、私が関わった頃は世界芸術文化交流会となっておりましたが、3年前から世界とかアジアと言わないで藝文協会という普通の名前を使ったらどうかと藝文協会という名称になっております。
 協会の前身は元々2000年にタイに設立されました。同会は、タイの王族と面識があったため、特に王室との深い関係が築かれております。そして、それを支援する企業としてフィネスが立ち上げられ、雑誌も年4回発行しており、設立してから今年で22年目になります。同会と同社は日本国内はもとより海外においても美術展開催などを通じて各国との相互理解の促進、世界平和の貢献など活動しております。また海外での美術展の開催にあたりましては現地のお子様たちを呼んで日本から参加される美術家の皆さまとふれあいアートセッションと称した情操教育、作品合同制作を行っております。
 この度の日本アセアンセンターは、今回2回目です。
 都内以外にも2013年は東日本大震災支援の美術展を日光東照宮で開催しましたところ東照宮では「これまで美術の視点が欠けていた」という宮司様の言葉をいただきました。その翌年からは共催でほぼ毎年美術展やまた違う形でのイベントを開催して今日に至っております。  
 そのほかマレーシア、ロシアのサンクトペテルブルク、イタリアのシエナやポルトガル、アメリカのハワイ、などでも開催してきております。
 コロナ禍で頓挫しておりますが、今秋にはイタリアのボローニャ大学で開催という準備をしております。話が長くなりましたが、今後とも日本国内や海外において活動していく所存でございますので引き続き皆様のご支援ご協力をお願いして私のご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

赤尾最高顧問

 

平林事務総長ご祝辞

 おはようございます。一般社団法人藝文協会赤尾最高顧問様、藝文協会東洋芸術顧問宗像先生、代表理事石川様それから芸術家の皆様、会員の皆様本日はおめでとうございます。私、昨日の夜みんなが帰った後電気をつけまして全ての皆様の作品と一つ一つ語らせていただきました。
 まさに芸術に価値があるのではないかと。一体この作品は私たちに何を語りかけているのだろうかと、やや時間をとりながらまた楽しみながら、見させていただきました。もし良かったら子供たちにも見てもらいたいと思いました。また来年はタイの開催でそのような機会もあると聞いております。来年2023年は日本とアセアン10か国の友好50周年の記念年です。来年のさまざまなことを考えておりまして出来ましたら子供たちの言葉を要しない交流も考えておりまして、芸術を通して言葉もなくできるのではないかと今、最高顧問のお話を聞いて強く感じました。もし出来ましたら皆さまのお力を借りて日本とアセアンの子供たちが美術を通して、平和単位で何かできるかという微量な機会を与えてくださればありがたいと思いまして、この会場を使っていただいたことに非常に感謝いたしました。  
 今日は非常に晴れてよかったと感じます。テレビを見ていますと暗い気持ちになるのですが、美術を通じた日アセアン友好文化交流に平和の原点があるのではないかと強く感じました。偏に皆様一人一人の心の魂の叫び、語りかけが作品に込められていると感じております。このような貴重な活動を皆様どうかお続けいただいて、子どもたちのために若者たちのためにこれからもご尽力いただければと思います。皆様の美術による貢献をしていただければ幸と思っております。
 本日は本当におめでとうございます。

平林事務総長

 

宗像東洋芸術顧問ご挨拶

 藝文協会東洋芸術顧問を努めております宗像でございます。本日はおめでとうございます。私の名刺を見ていて東洋芸術顧問というのもいいなと思って見ていたのですが自分自身のバックボーンについて考えました。若い時代に感じたのですが、家が代々クリスチャンの家系で、そこに反発もあったのでしょうね。東洋思想というものに特に老子、荘子に10代後半から心惹かれまして、東洋思想を一言で申しますと、東洋哲学に「無用の用」という言葉があります。  
 要するに一般的に不要かと思われがちな芸術とはまず心であり、生きるためにはもちろん食べて寝ることも必要ですけれど
も、心の飢えを癒すということもそれこそ生活として重要性を持っていると私は信じております。一人一人の心が豊かに満たされていれば今の大変な状況ですけれども、理想を言えばこの世から争いは消えます。
簡単なことで一人一人が心の中に栄養を持つ。そのための表現の違いがアートであると思います。本日改めて先生方の作品を一つ一つ拝見して自由に心の中で会話できることを満喫しました。
 ですからこの場に皆さんが一堂に介されたということも、平和へのメッセージの一つだと思います。今すぐどうこうということではなく、作品をこれから作られるわけでしょうから、その作品の中に大変なことが肥やしになるといいますか豊かさに通じると思うんです。ある時ハッと気づいた、あのときこういう出会いがあって今の作品があるという感謝の気持ちに繋がるんじゃないかと思います。
 私事で恐縮ですが、皆様と作品を通してお付き合いいただいて改めて感謝申し上げます。本日はどうもおめでとうございます。

宗像東洋芸術顧問

 

石川代表理事ご挨拶

 藝文協会の石川と申します。私の場合は少し簡単にご挨拶させていただきます。
 赤尾最高顧問とはタイ・バンコックでお会いしました。その後、退官されて日本アセアンセンターの事務総長にご就任されました。
 私は日本アセアンセンターで再びお会いし、最高顧問ご就任をお願いしましたところ、寛大にもご就任をご承諾いただきまして今日に至っております。
 東洋芸術顧問の宗像様、平林事務総長にも心より感謝申し上げます。
 本日ご来場の美術家の皆さま、誠にありがとうございました。

石川代表理事

 

最後に

 春爛漫の桜の見頃を過ぎ、本年4月5日(火)から4月9日(土)までの5日間、東京都港区の国際機関日本アセアンセンターにおいて本年「ASEAN設立55周年」、そして翌年「タイ国立シラパコーン大学創立80周年」を迎えることから『日アセアン友好文化交流展』」が開催されました。
 日本アセアンセンター周辺の陽気は、初夏かと思えるほど暖かく最終日9日に行われたタイ国における日タイ美術交流展推挙状授与式には28名の日本美術家が訪れました。
 展示された額作品は、絵画、写真、平面工芸など77点、掛け軸は書、水墨画20点、立体作品は彫刻、工芸が3点、また、本展にはタイ国立シラパコーン大学副学長、ヴェネツィア・ビエンナーレ、タイ代表作家であるアマリット・チュスワン教授作品をはじめ、将来有望格のシラパコーン大学の教授陣作品が6点の合計106点が展示されました。最終日の9日式典には、一般社団法人藝文協会赤尾信敏最高顧問、同会の宗像克元東洋芸術顧問、更に国際機関日本アセアンセンターの平林国彦事務総長にもご参加いただき、式典を盛り上げていただきました。
 尚、本年4月上旬は新型コロナウイルスの3都府県におけるまん延防止等重点措置の公示に伴う催物の開催制限、施設の使用制限等に係る留意事項等について本展最終日に発表されました。しかしながら、日本アセアンセンター指導のもと、密は避ける処置や、入口付近での検温や消毒液の使用も行うほか、入場は50人(入場者実数:28名)に満たないことに主催者は留意いたしました。
 お陰さまで、会期終了後にはご来場の皆さまの無事が確認できており、当会職員一同安堵しております。
 美術家の皆さまのご来場に心から感謝いたしますとともに、今後とも日タイのみならずアセアン地域との交流を続けて参りますのでご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

藝文協会代表理事 石川文隆

会場風景

一般社団法人藝文協会(芸文協会)